旅の宿

去る5月16日は「旅の日」だったそうです。

1689年（元禄2年）5月16日（旧暦3月27日）

俳人・松尾芭蕉が江戸を立ち『おくのほそ道』へ旅立った日。

旅を愛する作家や芸術家などによって結成された「日本旅のペンクラブ」が旅の日を制定したそうです。

だからという訳では無いでしょうが、5月14日（日曜日）から5月16日（火曜日）まで、主人（あるじ）が久しぶりに温泉旅行に連れて行って下さいました。

車で向かったのは、福島県の土湯温泉。

連休が明けて間もないせいか、道路は空いていて渋滞もなくスムーズに流れていました。

それでも後部座席で主人に抱かれる姿を運転手さんにミラー越しに観られていると思うと恥ずかしく...

時間が経つのが異様に長く感じました。

主（ぬし）の身に

　顔をうずめて

　　見上ぐれば

　風の光が

　　車窓をよぎる

旅館に着くと

さっそく浴衣に着替えます。

主人（あるじ）に連れられ

木立の中の貸し切り風呂へ

身を清めに向かうのです。

山の湯の

　樹々の奥より

　　きこゆるは

　岩肌を舐む

　　滝の音かな

火照った身体を冷まそうと

雨露に濡れた緑をすり抜け川に出てみます。

水の流れが、心地よく

肌を伝って流れて行くわ・・・

この先に何があるのかしら？

遠くに昇り立つのは湯煙

それとも、幻（まぼろし）

そこに立つのは貴方（あなた）？

それとも、幻（まぼろし）

湯けむりに

　しらたまの肌

　　赤く染め

　身に入る愛を

　　求め揺らめく

帰路につく朝

主人（あるじ）と一緒に夜明けの珈琲をいただきながら

ふと

いない貴方（あなた）に

想いを馳せる。

ふしだらな・・・私。

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