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フランチェスカの愛


今、六本木の国立新美術館で
「ルーブル美術館展:愛を描く」
というイベントが開催されています。

ルーヴル美術館の所蔵品から
精選された73点の絵画を通して
様々な愛の表現を見ることができ素敵です。

2023年3月1日(水)〜
2023年6月12日(月)まで開催されているので
皆様も是非一度足を運んでみてください。

絵画の中の愛の物語に
心が熱くなりますよ。💖

私は
アリ・シェフェールの描いた
「ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊」
という絵画に魅了され

思わず
その場に立ち尽くし

深い妄想に耽ってしまいました。


フランチェスカの愛 (1)
「ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊」(1855年)アリ・シェフェール・171×239cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵


フランチェスカはラベンナ領主の娘でしたが、政略結婚で近所の町リミニの貴族:ジャンチョット・マラテスタと結婚させられるのです。

そもそも
フランチェスカが好意を寄せていたのは、ジャンチョットの弟パオロの方だったのですが、周囲の圧力で無理矢理、兄のジャンチョットと結婚させられてしまったのです。

ジャンチョットは足が悪く、容姿にも恵まれていなかったこともあり
弟への嫉妬心からか
妻として尽くそうとするフランチェスカにも辛く当たりました。

失意に暮れるフランチェスカを
気に掛け慰めてくれたのがパオロです。

そんな二人が
恋に落ちるのを止めることなど出来ましょうか?

パオロとフランチェスカが
ランスロットとグィネヴィア王妃の物語を読みふけっていたある日

パオロは自らの感情を抑えきれずフランチェスカの唇に自らの唇を、かすかに触れ合わせてしまったのです。

読んでいた物語もまた有名な道ならぬ恋のお話だったこともあり、文学の言葉に誘われるがままに彼らはついに結ばれてしまったのです。

やがて密会を重ねて
夢中になっていた二人の関係は、
夫のジャンチョットに感づかれてしまいます。

激怒したジャンチョットは
二人が一緒に居るところに乱入し
惨殺してしまいました。

キリスト教が浸透していた中世のヨーロッパでは
貞操が何よりも重んじられていたので二人の罪は例え殺されたとしても許されることはなく地獄に堕とされたというのです。

こんな二人をダンテは『神曲』に登場させました。

第二圏、愛欲者の地獄
肉欲に溺れ、不貞を犯した恋人たちの地獄へ。


フランチェスカの愛 (2)
「パオロとフランチェスカ」(1887年)ガエターノ・プレヴィアーティ・98×227cm、カンヴァスに油彩、アッカデミア・カッラーラ美術館所蔵


罪を犯した恋人たちは
永遠に休むことなく
暴風に吹き流されるという。

荒れ狂った風に
鞭打たれながらも
恋人に縋り
寄り添う
フランチェスカ

引き裂こうとする暴風に逆らい
フランチェスカを
強く引き寄せるパオロ。。。

それを傍らで見守る
ダンテと案内人のウェルギリウスは
何を思っているのでしょう?


フランチェスカの愛 (3)
「パオロとフランチェスカ」(1872年)ジョージ・フレデリック・ワッツ・152.4×129.5cm、カンヴァスに油彩、Watts Gallery所蔵


思いを寄せる人が居ながら
忌み嫌う男の妻になった
フランチェスカ

自らの運命を受け入れようと
努力したのに認められず
酷い仕打ちを受けた時

貴女は何を思ったの?

沈み込んだ心に
パオロの優しい言葉が
一条の光を差しのべた。

その光に縋った貴女を
誰が責められるというの?


フランチェスカの愛 (4)


甘いくちづけ

湧き上がる熱い思い…

身を委ね、恋に堕ち
地獄に堕ちたフランチェスカ

きっと、今
本当の愛に身を委ね
至福の時を愉しんでいるのでしょう。

吹きすさぶ嵐の中で
身体を切り裂かれ
業火に焼かれても

縋れる愛があるから。。。
貴女を導く腕があるから。。。


フランチェスカの愛 (6)


貴女は、きっと幸せなのね。

どんなに過酷な責めを受けても

貴女は、今
本当の愛に包まれているから…


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16Comments

アルフレッド

美術館の絵で終始終わるのかと思っていたら
最後の2枚はSMチックな写真でちょっと驚かされてしまいました

  • 2023/03/19 (Sun) 21:23
  • REPLY

つばき

初めてコメントします。

私は椿姫の話が好きです。
(Wikipediaをリンクしたので、興味があったらご覧ください)

愛すること 愛し合うことは 難しい
感情論だけでは 語れない
精神の奥でも 分からない

貴女様もきっと 愛する想いが大きいのでしょうね

  • 2023/03/19 (Sun) 21:29
  • REPLY

とし

フランチェスカの愛

現代日本では、眞子さんと圭君も。
道ならぬ恋ではないのに、メディアや心ない国民から叩かれて。
ほとほと日本が嫌になったと思います。
圭君、努力して見事弁護士資格を得て、批判勢力を見返しましたね。
僕は応援しています。

  • 2023/03/20 (Mon) 01:16
  • REPLY

文華

恋に堕ちるときは理屈ではないってことでしょうね。それは今も昔も変わらない普遍のことなのでしょうね♫

  • 2023/03/20 (Mon) 03:52
  • REPLY

恵子

愛を描く

愛を描くとは、奥の深いタイトルですね。

愛を貫き思いを遂げん為に、
厳しい仕打ちにも耐える、
男女の姿、心を揺さぶられますね。
風花さんの画像の配置にもついつい身を、
乗り出してしまいました。

  • 2023/03/20 (Mon) 10:05
  • REPLY
風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: アルフレッド様

(m´・ω・`)m ゴメン…ナサイ
どうしても、気持ちが高揚して変な写真を載せちゃいました。
名画を汚すようなことをしてはいけませんね😅

風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: つばき様

「椿姫」は、私も読んで衝撃を受けた作品のひとつです。
例え、身は汚れても、愛する想いは気高く清いものだと未だに信じております。
だからこそ、こんなブログを続けているのかも知れません。
愛を伝えたくて...

風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: フランチェスカの愛

とし様
確かに、本人同士が愛し合っているのなら尊重して見守ってあげれば良いのに、何かと言いたくなるのでしょうね。
批判があっても愛を成就させることが出来て良かったと思います。😊

風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: タイトルなし

文華ちゃん
そう、恋に堕ちるのは、理屈でも、規律でも無いっていうことなんだよね。
普通に人を愛することが許されない立場だと、余計、その尊さが解るような気がします。

風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: 愛を描く

恵子様
試練に耐えるのも愛。
耐えるからこそ美しい...そんな気がしています。
そういえば、明日から天気が崩れるそうですね。
桜が咲くと、何故か、風雨が試練を与えます。
だからこそ、桜吹雪は美しいのかも知れません。

-

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2023/03/20 (Mon) 20:38
  • REPLY

ころりん@

やっぱり清純が一番だぉ♪

ころりん@はぁ、エロエロと調べたらぁ
昔の音楽でぇ
二葉あき子タンの「フランチェスカの金の音」って見つけたぉ

フランチェスカの鐘 二葉あき子 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9q18E0h4GfM

フランチェスカは、いっぱい
金のタマタマぉジュッポジュッポしてもらってぇ
ジュッポジュッポ音が鳴るんだぉ

「ああ あの人に突かれた夜は
ただ何となく マ●コ臭くて♪」

そんにゃことぉ、いきなり言うのがフランチェスカだぉ
本当に酷い子だからぁ、真似したら駄目だぉ

  • 2023/03/20 (Mon) 23:25
  • REPLY

アンティノウス

堕ちる

恋焦がれるということは、地獄の業火に焼かれること、
恋に堕ちると、地獄に堕ちる。
やはり恋には『堕ちる』という漢字がピッタリですね。

  • 2023/03/21 (Tue) 07:47
  • REPLY
風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: 鍵コメの

申し訳ありません。
どうしても、想像してしまって...
確かに買い物でも、いろいろ考えてしまうんです。😅

風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: やっぱり清純が一番だぉ♪

ころりん@タマ
またまた、凄い昭和の歌をみつけて来たね。😅
でもココは普通のブログだから、コメントもオトナシクしないとダメなんだォ~
管理者さんにペシペシされないように気を付けてね😉💕


風花(かざはな)

風花(かざはな)

Re: 堕ちる

アンティノウス様
ローマ皇帝ハドリアヌスの寵愛を受けた美神アンティノウス様ですね。😊
恋焦がれるということは地獄の業火に焼かれること。
愛のために、ハドリアヌスにその身を捧げたアンティノウスのように...
地獄に堕ちて燃え尽きたいと思うのが本当の愛。
そんな愛に身を焼かれ堕ちてみたいと願っています。💖